カバオ

【カバオに非常食を持たせるスレ】
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1121276269/


1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 02:37:49 ID:uoJImmBm0
手渡すと、用途を理解しなかったのか白痴めいた笑顔で完食して森に出かけた
また道中腹をすかせてアンパンマンを弱らせるのかと思うと
はらわたが煮えくり返る


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 02:43:01 id:uoJImmBm0
また森に食えるか分からないきのこを探しに行くというので
今度こそ「絶対食うな」と念を押しながら乾パンを差し出した
「分かった」と笑い頷きながら躊躇い無く口に放り込む彼に、僅かな恐怖を覚える


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 02:48:10 ID:uoJImmBm0
アンパンマンバイキンマンに殺されかけたと風の噂で聞いた
戦う前から顔はすでに四分の三を失い、満身創痍だったという
その日、丁度カバオが満足そうに腹を擦り帰宅していたのを思い出す


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 02:52:54 id:uoJImmBm0
最早、アンパンマンと平和のために一刻の猶予も無い
渡した非常食を案の定その場で食おうとするカバオに猛然と飛び掛り押さえ込む

目を覚ました時、非常食のカスと鳩尾の激痛だけがそこにあった


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 02:58:33 ID:uoJImmBm0
缶詰ならばその場で食せ無いだろうと思い、カバオにサバ缶を与えた
缶切りは渡さない。生命の危機を覚えれば、石を使ってでも切り開くだろう
妙案に満足する私の目の前で、カバオは缶ごとそれを噛み砕いた


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:02:27 id:uoJImmBm0
カバオがバイキンズとつるんでいると噂で聞いて憤りを覚える
カバオはその名を裏切らないバカで学習能力など微塵も無いカバだが、悪い奴ではない
カバオの純粋な瞳を真正面から見つめる。「非常食くれよ」と彼は呟いた


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:07:27 ID:uoJImmBm0
アンパンマンにスペアを持ってもらおうと、彼に手紙を書く
正義の味方とのコンタクトにいささか緊張しながら、文面までも堅くなる
カバオはそんな俺の肩をマッサージしながら、俺の後頭部を涎で汚した


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:15:44 id:uoJImmBm0
もう、奴を止めるには殺(ヤ)るしかないのか
一瞬湧き上がる物騒な殺意に、慌てて首を振る。非常食の意味を理解してもらえればそれでいい
何より三日前トラフグに舌鼓を打った彼は健在だ


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:21:49 ID:uoJImmBm0
村一番のアンコ食らいであるカバオに虫歯が出来た
歯医者を勧めるも頑なに拒む。勝機はここしかないと思い、砂糖たっぷりのアンパンを渡すと
彼はそれを錠剤でも飲むようにゴクリと食べた


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:32:28 id:uoJImmBm0
今日は殴ってでも止める決心を固め非常食を準備していると
自警団の息子にカバオが刺されたと、酷く狼狽したミミ先生が駆け込んできた
ついに社会が動いたかと慌てて現場に走ると、脂肪に塗れたナイフを手に平然と立つカバオが居た


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 03:35:48 ID:uoJImmBm0
見た目を大いに裏切る食べ物は、結構なストレスをもたらす事がある
ジャムおじさんアンパンマンの中身を遜色ない程度に交換することを提案していると
いつの間にか隣に立っていたカバオが「カルビがいいなあ」と一言口にした


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 04:11:13 id:uoJImmBm0
カバオはバイキンマンの刺客だ。元々悪食で評判のよくなかったカバオだから、こんな黒い噂が立つのだと思う
ただ、私にはカバオを心から信用するためにもカバオの言葉が必要だったから
「良識じゃお腹は膨れない」 食べかすで汚した彼の口から大人びた声が聞こえた


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 04:30:50 ID:uoJImmBm0
カバオに非常食を持たせることを諦める
今日も、もはや毒としか思えないキノコを狩りに行くと言うので、私自身が非常食を背負いついていく
案の定森の半ばで力尽き、腹がすいたと泣き始めるカバオの目の前で、食料を川に投げ捨てる自分を想像し快感を覚えた


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 04:46:50 id:uoJImmBm0
助けに来たアンパンマンの許可を得ず、肉食獣のように齧り付く雑食カバに呆然とする
厚意を当然とする厚顔無恥なその姿に私の思考は赤く染まったが
私の振り上げる石をそっと止めたのは、顔半分で微笑むアンパンマンだった


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 12:08:00 ID:uoJImmBm0
トロールに出たきりアンパンマンが帰ってこないのだという
騒然とする村人同様に、先ほど帰宅したカバオも酷く落ち込んでいる様子でおとなしい
お菓子を進めると「今は要らない」と首をふる。胸が締め付けられた


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2005/07/14(木) 12:21:51 id:uoJImmBm0
捜索隊が森で顔を失ったアンパンマンの体を発見した。安心する
カバオも今朝から食欲を取り戻し、猛然と非常食を食らいつくすと何時もの森へ向かった
アンパンマンが倒れていた森だ


86 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 12:32:53 ID:uoJImmBm0
食パンマンが配達の後、非常食を積んだバンでカバオのキノコ探索を手伝ってくれると言う
正義の味方を私物化する現状を憂慮するが、カバオとアンパンマンのためだ
夕方、森からカバオが運転する食パンカーが帰って来た。食パンマンが居ない


89 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 12:41:27 id:uoJImmBm0
毒すらカロリーに変えるカバオの悪食なら、食料の現地調達も実は容易だろう
せめて味付けできればと思い、醤油瓶を持たせる
ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干すカバオの姿はいっそ爽やかだ


91 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 12:55:09 ID:uoJImmBm0
先日患った虫歯のことをカバオに尋ねると、口をガパっと開いて見せるので驚いた
「食べるのに邪魔だから折ったよ」と楽しそうに告げるカバオに
震える手で大人しく非常食を差し出す


95 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 13:04:20 id:uoJImmBm0
バナナトラップに引っかかったカバオが遠いどこかに捨てられた。村人はみんな口を開こうとしない
途方に暮れる中、夕日とカバオを背負ったアンパンマンが帰ってきた。涙が溢れそうになったが
アンパンマンの顔がすでに下半分しか無い事に気付き、本当に泣いた


97 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 13:12:16 ID:uoJImmBm0
好評であるジャムおじさんのパンが売れ残ることはまず無いが、失敗作は廃棄処分される
「黒こげパンでもいいなら」と、ジャムおじさんはカバオへの提供を快諾してくれた
パン工場で放火騒ぎがあったのは、その翌日の話だ


106 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 13:26:14 id:uoJImmBm0
このままではカバオのためにならない
アンパンマンに直談判をしたが、やんわりと断られた。空腹の子供を放ってはおけないと言う
失意の帰り際、すれ違ったカバオに「余計なことはするな」と囁かれた


118 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 13:55:56 ID:uoJImmBm0
カバオの保護者に全てを話す事を決心するも、そう言えば私はカバオの家族を知らない
村人は誰もそれを知らない。さり気なくカバオに訪ねると、静かな瞳で直視された
無言のカバオから目を逸らし、「非常食食べるか」と提案すると、視界の隅でカバオが笑った


124 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 14:13:59 id:uoJImmBm0
「今日はこしあんがいいな」などと呟きながら、鼻息荒くキノコ狩りに出かけようとするカバオの背中に
たまらずカバオにとってのアンパンマンとは何か問いかける
一瞬足を止めた後、カバオは「アンパンマンは美味しい」とだけ答えた


198 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 17:35:51 ID:uoJImmBm0
見ている者の精神を蝕みそうな食いっぷりで胃を飽和状態にしたカバオは苦しそうに息を吐いていたが
やおら立ち上がると重そうな体でテーブルの周りをグルグル歩き出した
5周ほどしたところで今日の非常食を要求され、短く悲鳴を上げる


204 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 17:43:43 id:uoJImmBm0
村の上空を、可愛い悲鳴を上げながらメロンパンナちゃんが飛んでいく
カバオは砂煙を上げながら、必死の形相で追いかけていく
「どうして、どうして」とカバオが叫んでいるのが聞こえた


208 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 17:49:36 ID:uoJImmBm0
カバオが酷く不愉快そうな顔をして帰って来た
「不味い物を食べた」と貧乏舌が呪いの声を上げるのを聞いて、少し驚く
次の週、何故か控えめに村を襲ったバイキンマンには触覚が一本無かった


210 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 17:53:05 id:uoJImmBm0
昼間、アンパンマンを心配そうに見送るバタコさんを見かけた
もう遠い後姿に、か細い声で無事を祈る声が頭から離れない
回想する私の隣で、カバオが少し甘い香りのゲップを吐いた


217 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:00:17 ID:uoJImmBm0
飢えへの耐性をつけさせるためにカバオを小屋に閉じ込め断食を強要する
暫くドア越しに泣き声が聞こえたが、私はそれに謝罪しながら床についた
深夜、破壊音とけたたましいサイレンに目を覚ますと西の空が赤く染まっていた


229 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:05:52 id:uoJImmBm0
カバオはマヨネーズにはまっているらしく、暇を作ってはチューチュー吸っている
赤子のように愛らしいが、マントに染み付いたマヨネーズを小川で洗い流すアンパンマンを見て以来
憎しみしか覚えない


237 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:14:35 ID:uoJImmBm0
今日に限ってカバオが森に出かけない
マヨネーズをチュウチュウ吸いながら「キノコの気分じゃない」などと、うそぶいている
砂糖の変わりに塩で練ったアンコをこっそり詰められたアンパンマンは、何も知らずにパトロールへ出かけたらしい


248 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:25:45 id:uoJImmBm0
不味いアンパンマン事件以来、塩アンコに引っ掛かった村人がアンパンマンに向ける視線は冷たい
それでもアンパンマンはパトロールを続ける
愛と勇気とカバオだけが友達だなんて、とても悲しいことだ


264 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:34:57 ID:uoJImmBm0
ヒヨコ饅頭を食べることに躊躇いを覚える人間が居るように食べ物の見た目は重要だ
ジャムおじさんの職人芸で、リアルアンパンマンは誕生した。作った本人が「不気味だね」と呟く
リアルアンパンマンが空を飛ぶと、村人は金切り声を上げ、逃げ惑った


283 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:49:13 id:uoJImmBm0
カバオの肉親は知られていない。バタコさんの希望でジャムおじさんが作ったアンパンは、彼女によく似ていた
アンパンマンのために悲壮な賭けに出たバタコさんを、アンパンマンはバタコ顔で気恥ずかしそうに見つめるが
自分の顔がカバに齧り取られていく光景を、彼女は見つめ返す事などできなかった


290 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 18:59:13 ID:uoJImmBm0
カバオは絶望的に燃費が悪く、驚異的に知能が低いだけで根は悪いカバではない
彼を救いたいと頭を抱える私にカバオは手を差し出し。「非常食。今日の分」と要求する
パワーバランスが傾き始めていた


300 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 19:11:24 id:uoJImmBm0
キノコ欲しさで森に出向くカバオの興味を奪うため、カレーパンマンとキノコ狩りを行う
毒だろうと食用だろうと、手分けして片っ端からキノコを刈り取る 「カレーーーー」
鬱蒼とした森の奥から、おぞましい断末魔が聞こえて来た。カレーパンマンを呼んでも二度と答えない


307 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 19:23:08 ID:uoJImmBm0
カバオに、詰め込めるだけ非常食を詰め込んだリュックを背負わせると
犬が自分の尻尾を追うようにクルクル回り始めた。自分ではリュックを下ろせないという
微笑ましい光景に笑う私の顔は、肩紐を引きちぎるカバオを見てそのまま固まった


336 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 19:57:53 id:uoJImmBm0
最近元気の無いバイキンマンの代わりに、ドキンちゃんのUFOが村を襲っている
凶行を続けるドキンちゃんは私たちを見た途端、動きを止めた。「一本しかないんです、許して」震える声でそう言う
要領を得ない彼女の言動に、心当たりがあるかカバオに尋ねると、カバオは静かに「さあ」と首をかしげた


355 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 20:15:45 ID:uoJImmBm0
カバオのよき友でありたいと思う。口にするのは恥ずかしいことだが
私はその気持ちをカバオに伝え、カバオに私をどう思っているか尋ねた
カバオはクチャクチャと何かを咀嚼しながら 「くれる非常食が美味しい」と答えた


372 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 20:30:43 id:uoJImmBm0
珍しくカバオが料理をしている
寸胴鍋を火にかけてグツグツと煮込みダシを取っているらしい。カバオは本格派だ
時折浮き上がるしゃれこうべがか細い悲鳴を上げているように思えて、少しおかしかった


390 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/14(木) 20:44:23 ID:uoJImmBm0
アンパンマンの笑顔に力が無い
アンパンマンは村人に嫌われた自分のこと以上に、居なくなった戦友たちの安否を思っている
失踪に深く関わっているであろうカバオに頭を差し出すアンパンマンの姿に、この世の理不尽を垣間見る


523 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 00:40:00 id:WKp/Ya6H0
腹持ちが良い米にカバオの主食を切り替えてはどうだろう。ジャムおじさんに相談すると釜飯どんと天丼マンも協力してくれた
カバオは代わる代わる二人の頭から飯をかっ食らい、ジャムおじさんはわんこ蕎麦でも注ぐように中身を補給する
頭を開かれ白目を剥いては蘇り、蘇っては白目を剥くドンブリズは控えめに評価してグロイ


546 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 00:57:56 ID:WKp/Ya6H0
失敗は生かされる。カバオが森に出かけたのを確認して、激辛カレー入りアンパンマンが出撃した
夕方、残念ながら顔を半分にして工場に帰って来たアンパンマンが暗い声で呟く
カバオが「最近食べたこれ」と嬉しそうに溢したらしい。アンパンマンは口を開こうとしない


567 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 01:09:42 id:WKp/Ya6H0
三大欲求は誰しも持っているが、カバオの三角形は誰よりもいびつだ
小学生のカバオには少し早いかもしれないがガールフレンドのよさを切々と語る事にした
私が話し終わるや否や、酷く興奮した様子でその場を飛び出したカバオは唇にアンコをつけて帰って来た


585 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 01:21:10 ID:WKp/Ya6H0
ここのところチーズの機嫌が悪い。バタコさんも心配しているが心当たりが無いのだという。餌も散歩も欠かさない
こういう時、言葉が通じないのは不便だと心から思うが
カバオはそれが便利だと、ペディグリーチャム臭い口臭で語る


598 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 01:31:40 id:WKp/Ya6H0
思考するにはカロリーが必要だ。プレーンのカップヌードルをカバオが居ない間に啜る
一時間もすると非常食を求めてカバオがやってきたが、巨大な鼻をヒクヒクさせるとカップヌードルを一人で食べた事を見抜かれてしまった
焦りながら否定する私にカバオは小さな目を剥き絶叫する。「嘘だッッッッッッ!!!」


610 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 01:40:14 ID:WKp/Ya6H0
カバ子というグラビアカバドルが居るらしい
カバなら誰しも憧れる美カバであるというので、ポスターをこれみよがしに壁に貼ってみる
カバオはそれを即座に剥がし、丸め、咀嚼し、飲み込み「デブとアンコの敵はボクの敵だよ」と激怒していた


619 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 01:47:08 id:WKp/Ya6H0
カバオは病的な嫌煙家だ
鼻の穴が人より大きい分、伏流煙を吸いすぎてしまうらしい
健康は大事だよとほざきながら、今日もまだら模様のキノコをムシャムシャしている


635 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 02:01:28 ID:WKp/Ya6H0
肥満で悩む人間が胃を切除して小さくする手術があるらしい
カバオに勧めると「いっぱい食べられなくなるから嫌だ」と拒絶する
そもそもそれが目的だとはとても言えない剣幕だった


913 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 23:48:13 id:WKp/Ya6H0
心労続きのためかここの所睡眠が浅かったが、久々に床に就いた記憶が無いほどよく眠れた
まるで母胎に包まれていたかのように暖かく深い眠りだったと思う
体中にまとわりつくベトベトした粘液が唯一不快だ


920 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/15(金) 23:54:45 ID:WKp/Ya6H0
ロールパンナちゃんに襲われているアンパンマンの元へアンパンカーで急行する
到着するまでに出来るだけ沢山のパンを焼くように指示を飛ばし、ハンドルを握るカバオは頼もしい
カバオの運転は丁寧で慎重だ。アンパンカーの進みは牛歩より遅い


934 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 00:12:19 id:d2rsE+q30
涎を垂らして高鼾をかくカバオの大口を前に、縫合用の針と糸を持つ私の手は震えていた。アンパンマンに休息を
せめて今日一日だけでも口を塞げれば良い。ナイフで刺されても怪我一つ負わないバオの体質に期待する
無言で謝罪しながら突き立てた針先が唇の裏に届かない。カバオが成長している


937 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 00:21:18 ID:d2rsE+q30
誰にでも優しいジャムおじさんが、親としてアンパンマンを守る義務があると苦しそうに言う
カバオを葬り去る兵器の設計図が既に描かれ始めているのかもしれない。私は真っ白な頭を必死に動かし懇願する
カバオは悪いカバではありません。どうか苦しまないような最期を


950 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 00:29:44 id:d2rsE+q30
ミミ先生やカバオの学友を引き連れて、最後の説得に向かう
森へ向かうカバオに立ち塞がり、涙ながらに思いのたけを訴えた。カバオはミミ先生の涙をそっと拭う
それをひと舐めすると「アンコにかければもっと甘くなるね」と笑った


961 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 00:39:43 ID:d2rsE+q30
全てを捨て修羅の道を進むカバオの前にロールパンナちゃんが降り立った
リボンの奥で光る瞳は穏やかなまま、カバオを捕獲しようとリボンが飛ぶ。彼女がカバオに立ち向かう理由とは何なのだろう
兎に角今は、ロールパンナちゃんの仮面をうどんのように啜るカバオを止めなければ


971 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 00:48:00 id:d2rsE+q30
カバオは障害を全てなぎ払い森を進む。もう誤魔化す事は出来ない。カバオの目的は毒キノコなんかじゃない
空を覆う木々の下を抜け、広場に着くと視界が開けた。雲はどこまでも白く、天空はどこまでも青い
歩みを止めたカバオはその中心に腰を下ろすと、ゆっくりと泣き始めた。「助けてアンパンマーン。お腹がすいて歩けないよー」


980 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 01:03:59 ID:d2rsE+q30
アンパンマンは決して空腹の子供を裏切らない。緩やかに落ちていく西日を背にカバオの元へ飛んできた
背中に背負った見慣れない鉄の筒が鈍く光っている。フワフワと浮かんだまま何も語ろうとしない。おそらく彼は知ってしまった
カバオが「それ水筒なの、何が入ってるの」と無邪気に油を注ぐ

76 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 01:39:17 id:d2rsE+q30
アンパンマンが筒を背負いスコープを覗き込む。お人よしのヒーローはここで復讐を遂げ、後悔を抱いた手で人を救い続ける
私は茂みから飛び出した。カバオの前で何かを叫ぼうとして、驚愕に見開かれるアンパンマンの瞳を見る
引き金を引く指に彼の意思が間に合わない。何故か後ろから来る衝撃に突き飛ばされ、炎が私の頬を焼いた


97 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 01:50:36 ID:d2rsE+q30
満身創痍で見つけた山小屋に人は居なかった。カバオを拒む人も迎え入れる人も居ない、私とカバオだけの世界を見つけた
ロールパンナちゃんのような包帯姿でベッドに横たわるカバオに、相変わらず食えそうも無いキノコを与える
半日かけて集めたそれをぺろりと平らげると、カバオは嬉しそうに私に言った。 「今日の非常食ちょうだい」


125 名前: ◆w7MlJRHwJk 投稿日:2005/07/16(土) 02:01:50 id:d2rsE+q30
カバオと一緒に幾つもの季節を過ごした。姿ばかりが私に似た可愛い息子はやはり食い意地が汚い
日課のキノコ狩りからのんびりと帰って来るカバオと息子が、私を見ると二人そろって手を振った
笑って手を振り返す。きっと二人は「ただいま」より先に私に言うのだ。 「ママ今日の晩御飯はなに」